※本記事は全て私個人の独断と偏見です。
大学から企業に就職する際、推薦という制度があります。主に理系の大学でよく使われる制度です。
私はこの推薦という制度、企業の都合しか考えていない理不尽な制度だと思っています。自分が学生だった時から違和感を感じていましたが、社会人となった今、おかしな制度だと言い切れます。
私が就職したのは5年以上前なので、もう存在しないかと思っていたら、まだあるんですね。
しかも、調べたら「後付け推薦」という、もっと意味不明は制度までできているそうじゃないですか。
この推薦という制度、大学・企業・学生の間では利用して内定をもらった場合、辞退してはいけないとされています。自分も周りの同級生もそういうものだと考えていました。
しかし、それは間違っています。推薦で得た内定は辞退していいです。
就職して社会人となった今だから分かります。
職業選択はあなたの自由です

推薦を辞退してもいいと考える一番の理由は、職業選択はあなたの自由だから!という理由です。
職業選択の自由というのは憲法で定められています。
国家最高の法規が認めているのに、大学がこういうから、企業がこういうから、なんて考える必要はありません!企業や大学がどんなルールを作ろうとも、そんなの無関係です。
あなたの人生の主導権はあなたにあるんです。
学生のときは、みんなが企業を目指すので、企業に入ってサラリーマンになることが絶対、と思ってしまいます。
しかし、全員が企業に入らなければならないわけではないし、企業に入ったところでその後の人生が約束されているわけでもありません。
技術社員の自分は全く気にしません
私は採用とは離れた部署にいる技術系の社員ですが、
自分の会社が推薦を辞退されても、他社の推薦を辞退した学生が自分の会社に入ってきても、全く気にしません。
もし自分の会社の推薦を辞退された、と聞いても、うちの会社は人気がないんだな、としか思わないです。
自分の部下になった社員が他社の推薦を辞退したと聞いても特に何も思わないでしょう。
与えられた給料の分働くのが会社と社員の関係だと思ってますので、どんな入り方をしたとかは気にしません。
普通に働いていて、自分の耳にそんな情報が入ってくることも一切ないです。
推薦を辞退して、同じ業界の別の会社に行くとその会社でも噂が立つんじゃないか、と考える人もいるかもしれませんがそれはないです。
なので、推薦を辞退する場合は企業の採用担当や、大学の教授との関係だけを考えればいいです。
就職後のあなたの会社人生に影響することはほぼありえないです。
仮に私が採用担当であったら、辞退は嫌だと思います。それ自体が自分のノルマですから。
しかし、それもノルマを課されているいるから、辞退は困るという意味であり、自分の会社に来たくないという意思があるのに入って欲しいとは思いません。
一方で、自分の知り合いに優秀な学生がいて、その学生が自分の会社に入りたいという意思があり、私が会社に推薦をして内定を出したのにも関わらず、その学生から辞退されたらもちろん嫌です。
この場合は本当の意味で推薦しています。本当に良いと思って推めたのに辞退されたらそれはショックですよ。自分と会社の関係、自分と学生の関係にもヒビが入ります。
大学の教授自身が、繋がりのある企業に学生を推薦した場合も同様でしょうね。
しかし、形だけの推薦、企業都合の推薦が辞退されようとなんとも思いません。
就職の推薦とはどんな制度か

そもそも「推薦」という言葉の意味はなんでしょうか。辞書で引いてみますと
1 人をその地位・名誉に適している者として他人にすすめること。推挙。「委員長に推薦する」「推薦状」
goo辞書 https://dictionary.goo.ne.jp/jn/116545/meaning/m0u/
2 よいものとして人にすすめること。「推薦図書」
この「推薦」という言葉の意味から考えると、優秀な学生や、その企業に向いている学生がいるから、推めるということですね。
過去
かつての就職における推薦は以下のようなものであったと聞いています。
※こちらの情報は自分が就活していたときに、昔はこうだったという風に聞いた情報から類推するものです。具体的にいつ頃までそうだったとか、全ての会社でそうだったのか、というところは不正確です。
- 推薦を出せばほぼ確実に内定がもらえる
- 推薦で内定をもらった場合は必ずその企業に行かなければならない。
学校が学生を推薦し、内定を簡単にもらうことができる。しかし推薦していただいたのだから簡単に反故はできない。その会社で頑張りなさい。
企業にとっては、学生の質はよくないかもしれないが、採用人数は確保できる。
学生にとっては、拘束はされてしまうが簡単に内定がもらえる。
どちらにとっても一長一短の制度です。
現在
しかし、就職の推薦は年々企業の都合によるものに変わってきています。現在の推薦は以下のような状態です。
- 推薦を出しても、選考をいくつかパスできるだけで、普通に落ちる。
- 推薦で内定をもらった場合は必ずその企業に行かなければならない。
企業にもよりますが、現在は推薦というのは一次面接をパスできるとか、いきなり最終面接から始められるというメリットがありますが、他の自由応募で受けた人と比べられ、普通に落ちます。
メディアや一部の人たちの間では、未だに推薦=ほぼ100%の内定という認識があるようですが、ほとんどの企業でそれはないです。
これについては自分自身の経験があるので間違いないです。
私は3社も推薦を出して3社落ちてます。笑(笑えない)その後自由応募で今の会社に入りました。
推薦でほぼ内定を貰える企業もありますが、面談をして推薦応募の資格を与えるかの選考をしていたりと、簡単に推薦がもらえない仕組みになっています。
普通に落とされるようになった推薦ですが、必ずその企業に行かなければならない、という部分だけは変わっていません。
別に自由応募の学生と比べられることや、落とされるのは構いません。しかし、学生に有利な条件だけがなくなり、企業に有利な条件だけが残っている、これは全くフェアじゃありません。
そもそも推薦で応募しないと受からない企業もあります。
一部のエリート大だけに推薦枠を与え、その企業の選考を受けられるのは推薦を出して内定を辞退できない学生だけ。しかし推薦を出しても応募資格があるだけで、別に受かりやすくなるわけではない。
じゃあ、推薦枠のない大学の学生は?というと、選考を受ける手段はありません。自由応募も行っていますが、形だけですのでエントリーシートを出すだけ無駄です。最悪の場合読まれもしないかもしれません。ただの学歴フィルターです。
「後付け推薦」制度
この記事を書くにあたり「後付け推薦」という制度があることを知りました。企業によっては昔からやってたみたいですが、最近増えてきているようです。

今季の就活を「売り手市場が続くなか企業のなりふりかまわない人材確保策が目についた」と振り返る。その一つが「後付け推薦」だ。
(中略)
19年卒の就活では、最終面接が終わってから学生に「推薦状」の提出を求めるケースが頻発した。関係者の間で「後付け推薦」と呼ばれている手法だ。
(中略)
学校推薦は、本来、応募時点で提出するべき性質のものだ。ところが、問題となった後付け推薦では、正式ではない「内々定」を出すタイミングになってから企業が学校推薦を要求する。
自由応募で合格を勝ち取ったはずなのに、内々定を出したあとに推薦を出させるというものらしいです。ひどい場合だと推薦を出さなければ内々定をもらえない場合もあるんだとか。
「推薦」という言葉の意味は何処へ行ってしまったんでしょうか。。。
教授も大学もその学生を一切推めていないですよね。
「後付け推薦」なんて名前は使わず、「内定がほしければ、絶対にうちに来るという契約を結んでくれ。」そう言えばいいじゃないですか。
企業の考えていることはなんだろう

採用人数を確保したい!
企業は人が命です。大企業であっても広告や採用活動に費用を割き、人材確保に必死です。
年々、就職活動の解禁は遅くなっていますが、解禁前にリクルーターが接触したり面談したりと実質の採用活動のフライングを行うほどです。
今後も少子化で人が減っていくことを考えると、人材獲得の競争は今後も激しくなっていくはずです。
せっかく内定を出しても、自由応募の学生はもっと良いところがあればそちらに移ってしまいます。
推薦の内定を辞退できない、という部分は採用人数確保という面でとても魅力的です。
でも優秀な学生しか欲しくない、、、
いくら採用の人数を埋めることが目的だとしても、どんな学生でも良いわけではありません。
推薦で簡単に学生は集められた。しかし、いざ働かせてみたら全然使い物にならない、、、
日本企業は仕事ができる社員もできない社員も、給料は大きく差はつけません。できないからと言ってクビにもできないし、それなりのコストがかかることになります。
日本が成長している時代はそれでもよかったんでしょう。しかし、年々成長も鈍化していき、企業も余裕がなくなってきます。
そして
- 推薦を出せばほぼ確実に内定がもらえる
- 推薦で内定をもらった場合は必ずその企業に行かなければならない。
の2点のうち、企業にとって有利な2つめの条件だけを残す、というふうに徐々に変わっていったのではないかと思います。
正社員でも2週間で辞められます

正社員ってどれくらいの期間でやめられるか知ってます?2週間です。
民法により定められています。
言い方を変えると現在企業が抱えてる正社員というのは2週間後までしか約束されていません。今から2週間後に正社員がゼロになる、といったことだって制度上は可能なのです。
「内定」も労働契約にあたりますが、正社員より厳しいルールはありません。なので正社員同様、2週間前に連絡すれば辞退は可能です。
内定は10月1日以降に出ます。推薦で10月に内定もらったとすると、翌年の4月まで6カ月縛られることになります。正社員でもたったの2週間しか縛られないのに、内定者が何故6カ月も縛らなければならないんでしょうか?
内定を辞退をする場合はマナーに気をつけましょう
2週間で辞退できるからといって、行く気もないのに内定を放置し3月15日に辞退する、なんていうのは駄目ですよ。
行く気がないなら、すぐに辞退しましょう。
推薦でなく自由応募の場合、その気になれば内定を複数持つこともできます。しかし、無駄に内定を何社も持っていたり、辞退をめんどくさがって、あるいは怒られるのではないかと危惧して辞退の連絡を引き伸ばしてしまうのはやめましょう。
企業に対しても失礼ですし、その企業を目指して採用活動している学生にも迷惑です。
マナーとして1つ重要な点は、とにかく早く伝えることです。
ビジネスでは早い連絡というのが超重要です。内定辞退も、もちろんそれに該当します。
早めに連絡が来れば企業も早めに次の行動を起こせます。
断り方どうしよう、とか言ったら怒られるんじゃないか、など不安な気持ちはわかりますが勇気を出して伝えましょう。
そもそも、縛り付けなくても人が目指す会社になるべき
結局のところ、企業が学生を縛り付けて確保する制度と化している推薦という制度。
人の確保が最優先のため推薦を学生に出させて学生を縛る。推薦で出した内定なら辞退はほぼないので一安心。今年のノルマは達成だー!
これって本質からズレてますよね?
その企業が魅力的なら、わざわざ縛り付けなくても人は集まるはずです。
採用人数を確保したいから学生を縛ろう、ではなく、いい会社になることを目指すべきです。
また学生を選り好みして、人間の能力に依存する会社というのもよくないです。
人の能力に依存しない仕組みを作るべきです。
または、多少レベルの低い学生でもうちの会社で一流の社員にする!という気概が必要ではないでしょうか。
日本企業は終身雇用が前提です。新卒で入った社員が定年まで勤めることが多く、雇用の流動性は低いです。クビにしないし、やめないことが前提ですので、新卒時もむやみに採用するということができません。
働いていても思うのが、日本企業は無駄なルールとか本質から外れた仕事が非常に多いです。その分出せる成果は少なくなるはずですが、それも認められず、マンパワーで乗り切ろうとします。
自分の人生を生きよう!

ちなみにこんな主張をしている私は、就職の際はとにかく安定した会社に入り、あとは会社に守ってもらおう!という考えで就職しています。
なんとも他力本願な考えです。就活のときって内定を手に入れて、就職先を決めることが人生のゴールぐらいに考えてしまっているんですよね。
そして、最初に選んだ会社が全てなんだと思ってしまっています。
しかし、現実はそんなに甘いものでもないし、働いていく中で考え方は変わっていきます。
現に私は副業ブログを開始するに至っています。企業で定額の給料をもらって会社と運命共同体になるよりも、自分で稼ぐ力を身に着けたいという考えに変わっています。
働いていてすごく思うのは、会社から見て従業員というのは定額で好きなように使える都合の良い人間だということです。
俗にサラリーマンは「奴隷」、「社畜」などと言われます。自分は正直これ、なかなか的を射ていると思います。
就活で悩んでいる学生の一助となれば幸いです。
【自分で内定を辞退するのが難しい方は内定辞退代行を利用しよう!】
※退職代行会社ですが、内定辞退も対応しています。
- 創業14年目を迎える信頼できる会社です!
- 弁護士による適正指導の代行です!
- 累計4000人以上の方の退職を成功させています!
コメント