前回の記事でビットコインの2018年1月〜2019年11月のドルコスト平均法について検証しました。
ビットコイン価格の低迷期があったおかげで、結果は利益がでていました。
ドルコスト平均法は、高いときに少なく買い、安いときにたくさん買うことから、ボラティリティが高いほど有利で、値幅を利益に変えられると言われています。
でもそれって本当なの?と思い、ボラティリティの異なる4つのパターンでドルコスト平均法で積立を行った場合どうなるかを検証してみました。
4パターンのボラティリティを用意
検証のために変動率(ボラティリティ)が 0% / 5% / 15% / 50% 4パターンの商品を用意しました。
検証の条件
- 検証期間は10年
- 現在価格10,000円から平均 年5%成長し、10年後には16,289円になる。
- 変動率は 0% / 5% / 15% / 50% 4パターン
- 毎月ドルコスト平均法で毎月50,000円購入(10年で600万円)
変動は1年かけて一番低いところまで下がり、また1年かけて戻ってきてその後上に変動、2年で1サイクルします。10年後にはすべてのパターンが同じ価格16,289円になります。
ボラティリティが高いほど利益が出る、は本当
10年後のリターンは以下のとおりになりました。
投資額は全て600万円です。
変動率 | 評価額 | リターン | 利率 |
0% | 7,749,603 | +1,749,603 | +29.2% |
5% | 7,795,522 | +1,795,522 | +29.9% |
15% | 7,928,139 | +1,928,139 | +32.1% |
50% | 8,969,882 | +2,969,882 | +49.5% |
なんと、変動率(ボラティリティ)が高いほどリターンが増えています。
変動率が高いほどドルコスト平均法で利益が出るというのは本当です!
という結論を出すには、少し早いです。
リターンの推移のグラフを見てみます。
確かに変動率が高いほど10年後のリターンは高くなっています。
しかし、その過程はどうでしょう。変動率が高いほどアップダウンが大きくなっています。
変動率50%のものは、高いときには他の変動率を大きく突き放しリターンも大きくなります。
しかし、下がるときは思いっきり下がり、リターンが毎回マイナスまで割り込んでいます。
この状態で、一定額ひたすら積み立てるというのはあまり得策には見えません。価格が安いときだけに購入して、高いときに利確をしたほうがよさそうです。
もっとも、実際の株価では上がり過ぎたら下がってくる、下がり過ぎたら上がってくると決まっているわけではないので、簡単な話ではありませんし、売り買いをするとなるとその時点で積立投資ではありません。
愚直に積み立てるとしても、この状態では気持ちも全然安定しないでしょう。
さらに、出口戦略がすごく難しそうです。何十年も積み立てて、いざ現金に変えようと思ったら暴落し、それまでの積立の努力が水の泡になる可能性だってあります。
したがって単に変動率が高いというだけでは、投資対象に選ぼうとはならないのではないでしょうか。ギャンブル性が非常に高くなります。
変動率が高い分、成長率も高くないとわざわざ選ぶことはないです。
結論 ボラティリティが高いほどリターンは大きくなるが、アップダウンも激しい
結局、積み立てる商品のボラティリティが高ければ、積立投資のリターンの変動が激しくなるという、当たり前といえば当たり前の結果になりました。
ボラティリティが高いんだからそりゃそうなるか、という結果です。
やっぱり投資対象に選ぶかは、長期的に見て価値が上昇していくか、が重要ですね。

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